2015年の相続税の改正にともなって基礎控除額が減少したため、相続税が必要になるケースが増えています。
実家などを不動産相続する際の売却のタイミングは、相続前と相続後、どちらがよいのでしょうか。
今回は、不動産相続における売却のタイミングにフォーカスします。
それぞれの特徴について深掘りしますので、ぜひ、今後の参考にしてみてくださいね。
不動産相続における売却のタイミング①相続前
不動産相続における売却のタイミング1つめは、相続前です。
親が存命中に、所有している不動産を売却するケースのことですね。
不動産は相続時に分割しにくく、相続人が複数人の場合は、トラブルに発展する可能性があります。
そのため、相続前に現金にしておくと、遺産分割協議においてスムーズに分割することが可能です。
このようなメリットがある一方で、相続前のタイミングを選択すると、一般の売却と同様に譲渡所得税などの負担が必要なので注意しましょう。
ただし、自宅の売却であれば3,000万円特別控除を利用できるため、売却益の金額によっては譲渡所得税が免除されるかもしれません。
不動産相続における売却のタイミング②相続後
不動産相続における売却のタイミング2つめは、相続後です。
親が亡くなってから、不動産を相続したあとに売却を考えるケースのことですね。
不動産での相続は、分割しにくい分、税金面ではお得です。
というのも、不動産は固定資産税評価額から税金が算出されますが、固定資産税評価額は時価より低いことが多いため。
相続後に売却した場合にも、もちろん譲渡所得税は必要ですが、取得費加算の特例によって節税することが可能です。
ただし、この優遇措置を受けるには相続開始から10か月後の翌日から3年以内という期限があるため、注意しましょう。
また、譲渡所得税は不動産の所有期間によって税率が異なり、5年以上所有していると税率が下がります。
相続したばかりの不動産でも、親の所有期間が引き継がれるのは嬉しいポイントです。
相続人が複数人の場合は売却に全員の同意が必要になり、誰か1人でも反対すれば、スムーズに進まない可能性も考えられます。
このようなトラブルを避けるためにも、親が生存している間に遺言書などを残してもらうよう話し合っておくと安心です。