自分の所有している不動産を相続してもらいたいけれど、子無しの場合はどうしたらいいのかわからないという方も多いはずです。
遺言書を書こうにも、遺産を譲る子どもがいない場合はどう書いたらいいのかわからないというケースも少なくありません。
今回は、不動産相続を検討している子無し夫婦の方におすすめの遺言書の書き方について解説します。
子無し世帯の不動産相続はどうなる?遺言書を相互に書こう!
子無し世帯ならば、遺言書をわざわざ書かなくても、どちらか一方が死亡した場合にはすべての財産が配偶者の物になるだろうと考えている方も少なくありません。
しかし、遺言書を作成していなかった場合、財産の一部は非相続人の親や兄弟姉妹などの親族に渡ってしまうのです。
遺言書がない場合、遺産分割協議により遺された財産をどのように相続するか決める必要があります。
しかし、さまざまなトラブルや揉め事によって親族同士の関係が悪化するケースもあるのです。
こういった事態を回避するためには、夫婦のうちどちらか一方が遺言書を残すのではなく、お互いに遺言書を書き合う方法があります。
相互に「配偶者に全財産を相続させる」という内容の遺言書を書いておくことで、どちらに不測の事態があった場合でも配偶者に財産を残せるのです。
子無し夫婦の不動産相続で気を付けたい!遺言書は公正証書遺言がいい?
不動産相続のための遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。
公正証書遺言とは、公証人があらかじめ遺言の法的有効性を確認したうえで、公証役場に保管する遺言書のことです。
すでに有効性を認められている書類のため、遺言書を書いた本人の身に何かあった場合でも、手元に公正証書遺言正本さえあればすぐに執行できるというメリットがあります。
これに対し、自筆証書遺言の場合は遺言執行のために家庭裁判所で検認の手続きが必要となるのです。
しかし、検認手続きには相続人全員の参加が必要なため、多くの親族に手間がかかるというデメリットがあります。
また、自筆証書遺言の場合、家庭裁判所にて遺言書の無効を唱えられるなどのトラブルが起きやすい一面もあります。
これに対し、公正な手順で作成された公正証書遺言の場合、遺言書自体の無効を求められるケースが少ないため、不要なトラブルから配偶者を守ることにもつながるのです。